
AGAは日本語では男性型脱毛症と訳されており、思春期以降の男性によく見られる症状です。
簡単に言えば大人の男性において抜け毛や薄毛が進行することですが、他の病気を治療するために飲んだ薬の副作用などで起きる脱毛と違い、はっきりしたきっかけもないまま徐々に進行していくのが特徴です。
症状がもっともあらわれやすいのは前頭部と頭頂部です。
前頭部においては額からこめかみにかけての生え際で抜け毛が進行し、いわゆるM字型をなして後退していきます。
また頭頂部においてはてっぺんの部分が薄くなるとともに毛も細くなり、場合によっては禿頭へと至ります。
AGAの原因としては遺伝説や環境説などさまざまなものが挙げられており、現在もさまざまな研究が取り組まれていますが、まだ完全には解明されていません。
効果のある薬
ただ、研究の結果ある種の男性ホルモンが症状の進行に関与しているところまでは分かっています。
そのホルモンはジヒドテストステロンと呼ばれる物質です。
ジヒドテストステロンはテストステロンという骨や筋肉の発育に関わるホルモン物質が酵素の作用によって変性したものです。
この物質は毛の成長力を弱める働きを持っており、これによって毛が十分育たないまま抜けてしまい、薄毛状態となるのです。
現在では、このジヒドテストステロンの活動を弱める効果を持つ医薬品が開発されており、治療に使用されています。
フィナステリドと呼ばれるこの薬は、内服薬として用いることでジヒドテストステロンの発生に関わる酵素の活動を阻害し、抜け毛を防ぎます。
この薬は主に皮膚科で処方されますが、一部の内科でも取り扱っています。